青い空

「10年間で一番空が青かった。」

 

名言です。これは先日の完全にノンフィクション活動開始10周年記念GIGで、私がMCで発した言葉です。歴史に名を残すフレーズです。素晴らしいです。

 

しかし、その日の打ち上げにて、酔っ払いの戯れ言でしょうが、メンバーに、「たぶんそのことば、お客さんにぜんぜんつたわってないよ」と言われて。

 

完全にノンフィクション活動開始10周年記念GIGにお越し頂いた皆さんには、感謝という感情以外湧き出てこないのですが、その感情の心象風景があまりにもあの日の空と似ていたので、私が見たその風景をどうしても皆さんに伝えたかったのです。が、いかんせん私のMCではその想いが伝わらなかったみたいなので、こうして文字に起こしている訳です。

 

目標にしていたお客さんの人数は100名でしたが、前日までに来場が確定していたお客さんは50〜60名でした。そして当日、バンドマン連中のゲストを除いて、50名の方にお越し頂きました。 はっきり言って、ちょっと赤字でした。というか、めちゃくちゃソーコアに無理してもらって、それでも赤字でした。これが現実です。

 

「10年やってこれか」

 

と思う方もいるかもしれませんが、私含め別所くんも小野くんも、少なくともギグ当日はそんなことは微塵も考えてなかったと思います。

 

むしろ私は、オープンして早々、今までずっと応援してくれていたファンの皆さん、友人、バンド仲間の一人一人が、この夏の始まりの、35度の炎天下の中、続々とソーコアファクトリーに集まってくれていることが、嬉しくて、愛おしくて、心のすべてが「感謝!」という感情のみに染まったのです。

 

たまらず、外へ出て他のお客さんが来るのを待ちました。ファミリーマートの少し奥の方に目をやると、お客さんがこちらへ歩いて来るのが見えました。この暑さで道路に陽炎が立っています。もっと先に高いビルがあって、横にも同じくらい高いビルがありました。その間に空が見えました。その日の空は多分普通のよくある夏の空だったと思います。でもその時の私には「青!」という言葉でしか言い表せないような、そんな青さを持つ夏の空に見えました。まさに、その日の空は私の心そのものだったのです。

 

 

 

 

どうですか。伝わりましたか。

なんか、へんに、まじめな言葉づかいをしてしまいます。なんでだろう。まあええわ。

 

おれはあの日見た空の色を忘れないぜ!

また何年後かにワンマンしてソーコアをソールドさせてみんなでその夏の空を見ようぜ!

青いぜ!思ってるより青いぜ!

ステージからお客さんと全員で写真撮るノリあるやん?おれあれ嫌いやから、どうせなら夏の空をバックに撮ろうぜ!夏の思い出作ろうぜ!

 

そろそろ別所くんが「キャラ急に変わり過ぎ!」って突っ込んでくるよ!

 

でも、別所くんも小野くんも、同じこと思ってると思うよ。夏の思い出作ろうって。おれら10年も続いたバンドやからな。

 

改めて、ワンマンライブにお越し頂いたファンの皆さん、当日来れなかったファンの皆さんも含め、今まで応援して頂き、本当にありがとうございました。

完全にノンフィクションはこれからもっともっと音楽とファンの皆さんに向き合い、忘れる事のできない夏の思い出を残していきたいと思っています。応援して下さい。

 

そしていつか同じ夏の空を見ましょう。

 

 

完全にノンフィクション

上野友也